モデルナ、RS ウイルス(RSV)ワクチン mRNA-1345 を世界の規制当局へ承認申請
2023年7月19日
報道関係者各位
この資料は、モデルナ(マサチューセッツ州ケンブリッジ)が 2023年 7月 5日(現地時間)に発表したものを日本語に翻訳したもので、報道関係者の皆さまに参考資料として提供するものです。資料の内容および解釈については、英語が優先されます。英語版は、https://www.modernatx.comをご参照下さい。
モデルナ、欧州医薬品庁(EMA)、スイス医療庁およびオーストラリア医療製品管理局(TGA)に、開発中の RSV ワクチン mRNA-1345 を承認申請
mRNA-1345 に関する米国食品医薬品局(FDA)への生物学的製剤の段階的承認申請も開始
mRNA-1345 は、ConquerRSV 第 3 相検証的臨床試験において、高齢者の RSV による下気道疾患に対して 83.7%のワクチン有効性を示し、主要評価項目を達成
世界各国の規制当局へ mRNA-1345 の承認申請を予定
【米国マサチューセッツ州ケンブリッジ、2023年 7月 5日発】メッセンジャーRNA(mRNA)治療薬とワクチンのパイオニアであるバイオテクノロジー企業のモデルナ(NASDAQ:MRNA)は本日、60歳以上における RSV による下気道疾患(RSV-LRTD)及び急性呼吸器疾患(ARD)の予防ワクチン mRNA-1345の規制当局への承認申請に関する最新情報を発表しました。
モデルナは、欧州医薬品庁(EMA)、スイス医療庁およびオーストラリア医療製品管理局(TGA)に、 mRNA-1345 の承認申請を提出しました。また mRNA ベースの RSV ワクチンのライセンス取得のため、 mRNA-1345に関する米国食品医薬品局(FDA)への生物学的製剤の段階的承認申請(BLA)も開始しました。
モデルナの最高経営責任者ステファン・バンセル(StéphaneBancel)は「欧州連合、スイス、オーストラリアおよび米国における RSVワクチン候補 mRNA-1345の承認申請を発表できることを誇りに思います。RSVは高齢者の下気道感染の主な原因であり、入院および救急診療など医療システムに大きな負担をもたらします。モデルナの mRNAプラットフォームは、臨床試験を開始してから、わずか2年で RSVでは最初の国際共同第 3 相臨床試験へ移行、そして mRNA-1345 の承認申請を実現し、広範囲に及ぶ公衆衛生上の負担に、迅速かつ厳密に取り組むことを可能にしました。mRNA-1345 は、モデルナの mRNA プラットフォームによる2つ目の製品となるために、世界各国での承認取得を目指しています。また最近では希少疾患およびがん領域で実施された臨床試験においても肯定的な結果が得られており、その他の疾患領域でも同様の結果が得られることを期待しています。このように将来さまざまな疾患と闘うことができるmRNAの可能性が大きく広がっています」と述べています。
規制当局への申請は、22ヵ国における 60歳以上の約 37,000 人を対象とした無作為化プラセボ対照二重盲検試験である、ConquerRSV検証的臨床試験の事前規定した中間解析から得られた肯定的なデータに基づいています。有効性に関する主要評価項目は、2 つ以上の症状が認められた RSV-LRTD、または 3 つ以上の症状が認められた RSV-LRTD の2つの定義に基づいて設定されました。本試験の有効性に関 する主要評価項目は両定義において達成され、2つ以上の症状で定義した RSV-LRTDに対するワクチンの有効性は 83.7%(95.88%信頼区間:66.1%~92.2%、p < 0.0001)、3つ以上の症状で定義した RSV-LRTD に対するワクチンの有効性は 82.4%(96.36%信頼区間:34.8%~95.3%、p = 0.0078)でした。ワクチンの忍容性は良好で、安全性プロファイルも良好でした。副反応の多くは軽度または中等度で、mRNA-1345群で最も多く報告された副反応は、注射部位疼痛、疲労、頭痛、筋肉 痛、および関節痛でした。ConquerRSV 試験は現在も進行中であり、症例の発生に応じて、重症 RSV などを対象とした追加の有効性解析を実施する計画です。また mRNA-1345 は高齢者に加えて、小児を対象に第 1 相臨床試験を実施中です。なお、本試験の被験者の組入れは終了しています。
mRNA-1345は、2023年 1月、米国 FDAにより 60歳以上における RSV-LRTDの予防を目的とした画期的治療薬指定を受け、2021年 8月には米国 FDAによりファストトラック指定を受けていました。オーストラリアでは、2023年 4月に mRNA-1345が優先審査指定を受け、優先審査の下で申請が審査される予定です。モデルナの呼吸器系疾患ワクチンのパイプラインには、インフルエンザや次世代の COVID-19 ワクチン候補に対する第 3相臨床試験があります。そのパイプラインには、抗原の種類を増やした4つのインフルエンザワクチン、他の呼吸器系病原体に対するワクチン、および 5つの混合ワクチンプログラムが含まれています。
mRNA-1345について
mRNA-1345は、安定化融合前 F糖タンパク質をコード化する単一の mRNA配列からなる、治験中の RSVワクチンです。本ワクチンには、モデルナ COVID-19ワクチンと同じ脂質ナノ粒子(LNP)が使用されています。F糖タンパク質はウイルスの表面に存在し、ウイルスが宿主細胞に入るのを手助けすることで感染を引き起こします。F 糖タンパク質は融合前と融合後の 2 種類の状態で存在します。融合前の形態は、強力な中和抗体の重要な標的であり、タンパク質配列は、RSV-A および RSV-B の両サブタイプでほぼ同じです。
モデルナ社について
モデルナは、2010年の創業から今日までの10年強の間に、メッセンジャーRNA(mRNA)分野の研究型企業から、現在は7つのモダリティにわたる多様なワクチンと治療薬の製品ならびに臨床開発段階のプログラムを有する企業へと発展しました。モデルナはmRNAと脂質ナノ粒子製剤を含む幅広い知的財産ポートフォリオを構築し、最新の大規模製造設備では迅速な臨床開発と臨床使用を目的とした生産が可能です。モデルナでは国内外の様々な政府や企業との提携関係を継続しています。最近では、これらモデルナの能力を結集した例として、新型コロナウイルス感染症拡大に対し、効果的なワクチンを早期に開発、承認取得に至ったことがあげられます。モデルナのmRNAプラットフォームは、基礎および応用の研究・医薬デリバリー技術・製造においての継続的な進歩を目指して構築されており、感染症、腫瘍免疫学、希少疾患、心血管疾患、並びに自己免疫疾患のための治療薬とワクチンの創出を可能にしています。8年連続で、Science誌によるバイオ医薬品企業のトップエンプロイヤーとして選出されました。さらなる詳細は、www.modernatx.com またはhttps://www.modernatx.com/ja-JP をご覧ください。
将来予測に関する表明
本プレスリリースには、改正された1995年度米国民事証券訴訟改革法の意味の範囲内における将来予測に関する記述が含まれています。これには、規制当局による承認の可能性を含むmRNA-1345に関する承認プロセス、mRNA-1345の世界各国の規制当局へのさらなる申請に関するモデルナの計画、mRNA- 1345の有効性と安全性、忍容性のプロファイル、進行中のConquerRSV試験、希少疾患やがん領域をにおける将来の可能性のある製品に関するモデルナの期待などが含まれます。将来予測に関する声明は場合によっては「予定である」、「かもしれない」、「はずである」、「可能性がある」、「期待する」、「意図する」、「計画する」、「目的とする」、「予想する」、「信じる」、「推定する」、「予測する」、「可能性」、「継続する」、またはこ れらの語句の否定形もしくはその他の同等の語句によって識別することができます。ただし、これらの語句がすべての将来予測に関する声明に含まれているわけではありません。本プレスリリース中の将来予測に関する表明は約束と保証のいずれでもなく、それらには既知および未知のリスク、不確実性、およびその他の要因が関わり、その多くはモデルナの統制の範囲外にあり、かつ実際の結果を将来予測に関する表明に表現されている、あるいはそれから黙示的に示されるものから大きく異なる可能性があるため、これらの将来予測に関する表明に対して過度に依存しないようお願いいたします。これらのリスク、不確実性、およびその他の要因には、米国証券取引委員会(SEC)のウェブサイト(www.sec.gov)から入手可能な、モデルナが SECに提出した 2022年12月31日を期末とする年度のフォーム10-K年次報告書およびそれ以降にSECに提出した書類の「Risk Factors」欄に記載されたリスクと不確実性が含まれています。法によって求められる場合を除き、モデルナは本プレスリリースに含まれるいずれの将来予測に関する表明についても、新たな情報、将来的な展開、あるいはその他のいずれを理由とするかを問わず、更新または改訂する意図または責任を持ちません。これらの将来予測に関する表明はモデルナの現時点での予測に基づくものであり、本プレスリリースの日付においてのみ有効です。